ドクターが語る地域医療を支える飯田病院の存在意義|森野先生

2020.7.2

ドクターとしての仕事観、地域医療を支える中での飯田病院の存在意義、そして将来像についてお伺いしました。

-森野先生のご経歴を教えてください。

はい、もともとは同じ栃木県内の自治医大を経て、宇都宮市内の病院に内科医として十数年勤めていました。
飯田病院で働くことになったきっかけは、
もともと関わることが多かった慢性疾患の高齢者の患者さんを療養型の病院という、
患者さん一人一人としっかり向き合える環境で診ていきたいと感じたからです。

-医師として患者さんと接する時に心掛けていることを教えてください。

飯田病院に入院されている患者さんはその方によって状況はさまざまです。
元気になって別の病院や施設に入所される方、退院してご自宅に戻られる方。
一方で、ご飯を食べるのも困難な患者さんもいらっしゃったり。
どのような症状の患者さんに対してでも、やはり患者さん本人の意思を一番に考えています。
患者さんがご自身で意思表示ができない場合は、ご家族との対話を密にして、必ず合意形成をしながら進めています。
短期的な視点も重要ですし、中長期的な視点も重要です。
患者さん自身が苦しい思いをせず、少しでも患者さんには良くなってほしい思いで日々接しております。

-なるほどです。

試行錯誤の毎日です。
考え方などは人それぞれですので、過去には患者さんやご家族とすれ違ってしまうこともありましたし、
時間的な制約により満足なコミュニケーションが取れていないのでは? と申し訳なさを感じることもあります。
そこから学んだこととしては、「患者さんの目線に立ち続けること」でした。
ご理解やご納得をしていただくためにコミュニケーションの回数を重ねていくこと。
また、医学的な説明だけではなく、医学的知識のない一般の方の視点に立って、わかりやすくお話しをすること。
医師として、患者さんの立場に立ってお話をしていくこと。
後々になって、患者さんやご家族から「実はこうして欲しかった」と思われるようなことはしたくないと思っています。

-森野先生が感じられる飯田病院の存在意義について教えていただけますでしょうか。

地域医療という枠組みの中で、なくてはならない存在だと自負しています。
また、飯田病院には大きなリハビリ室があり、
優秀なリハビリのスタッフもいるという質・量ともに充実しているところが患者さんにとって大きな利点であると感じています。
リハビリを通じて身体的活動度が改善して退院に至るという方もいらっしゃいます。
入院を続けざるをえない場合も、リハビリでコミュニケーションをとりながら身体を動かしていただくことは、
患者さんが快適にお過ごしいただくのにとても大切なことだと思います。
ここ最近では長い期間、新型コロナウイルスの影響で患者さんとご家族のご面会ができませんでした。
そのため医師として今できることを考え、患者さんにもご家族にも極力ご心配をかけないように心掛けてきました。
社会的な変化や情勢に合わせて医師としての役目や意識することも変化させていく必要があると思っています。

-今後飯田病院として目指されていることを教えてください。

そうですね。
患者さんに適切な医療を届けるためには医師だけでなく、各部署の存在が非常に大きいと思っておりますので、
病院内の各部署の連携をさらに強めて行きたいと考えています。
医師だけではなく、飯田病院スタッフ一丸となって患者さんの立場に立って今後もがんばって行きたいと思っています。

<飯田病院のドクターとして大切にしていること>
・患者さん本人の意思を一番に考え、ご家族も交えて対話を重ね、合意形成をしながら進める。
・短期的な視点だけではなく、中長期的な視点を持つこと。
・常に「患者さんの目線に立ち続けること」。
・「地域医療を支える」ため、社会的な変化や情勢に合わせて医師としての役目や意識することも変化させていかないといけない。